【3年生・化学】酸性・アルカリ性の水溶液の区別

ねらい

強弱様々な酸性・アルカリ性の水溶液をそれぞれの性質をもとに複数種類の指示薬を使い、何の水溶液かを科学的根拠をもとに特定し、なぜそうなるのか説明できる。

 

概要

 課題

【塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、酢酸、重曹水溶液、クエン酸水溶液、水】

のどれかが入っている無色透明の水溶液A, B, C, D, E, Fがある。これらの水溶液を様々な酸性・アルカリ性を確かめる方法を使って特定する。

1時限目

生徒に今までの酸性・アルカリ性の区別の仕方について確認する。ニオイ、見た目、リトマス紙、万能試験紙、BTB溶液、フェノールフタレイン溶液などの使い方について電子教材などを用いて確認をし、各班で話合わせ、実験計画を立てさせた。その際に必要な実験器具に関しても話合わせ、必要な器具、個数等を考えさせ、実験計画に書かせた。また、確認する実験についての科学的な根拠についても考えるように指示する。

2時限目

生徒の立てた実験計画に実験上危険を伴う検証法がないか確認し、実験を進めさせる。それぞれの水溶液の性質について結果をまとめさせる。

3時限目

全体での実験結果の共有、それぞれの班について確認していない方法がある班に対するフォロー。実験結果が異なる班が出た場合には両方とも板書し、どちらがより妥当な結果かを考えさせる。授業時間内に考察(レポート)を書く時間を設けて各班で話し合いながら考察を書かせた。

 

成果(ふりかえり)

 実験計画の立て方については教科書や化学便覧を参考に、どの指示薬を用いれば酸性・アルカリ性を区別できるかについて生徒自身で見つけ、根拠をもとに説明できた生徒がいた。活動が積極的でない生徒に対して机間巡回の際に、どこまで考えられたか、どのようにするのが適当だと思うか問いかけ、生徒の考えに対してどのようにすれば確認できると思うかについてアドバイスをした。

実験で用いた酸性・アルカリ性の水溶液は強弱があり、その強弱をどのように区別したかについても考えさせることで酸性・中性・アルカリ性の3種類だけでないことにも目を向けさせた。考察の際には自分の考察について全体に説明させることで自分の理解を相手に伝える。説明を聞き、理解する活動を入れることでより深い学習につながったと考える。

定期試験においても酸性・アルカリ性の水溶液の区別についての試験を行ったが高い正答率となった。実験計画の立案から、考察を生徒どうしで主体的・対話的活動を促すことにより、十分な学力の定着につながったと考えられる。

(渡邉崚)