【2年生】New Treasure Stage2 Lesson8 READ “Skating for Peace”
ねらい
旧東ドイツ出身のフィギュアスケートのオリンピック選手であったカタリーナ・ウィット(1965~)が出場した1994年のリレハンメル冬季オリンピックについての英文を通して、「①戦争は何をもたらしてしまうか。なぜ歴史上、人々は戦争を繰り返してしまうのか。」「 ②オリンピックと平和の関連」についての考察を深めると共にLesson8の文法事項として名詞・代名詞の使い方に習熟する。
概要
1時間目(テーマ:①Katarina Wittとは誰か?②オリンピックについて理解を深める)
カタリーナさんの写真を黒板に貼り、この人は誰か?等をまずは生徒に英語で質問を投げかけ、Katarina Wittは「ヴィット」と発音することから、この発音の言語の国はどこか?⇒ドイツ語⇒カタリーナさんが生まれた時は東西ドイツの時代だったが、なぜ東と西にドイツが分かれていたのか?⇒第二次世界大戦・冷戦⇒・・・といったように導入を行った。英語そのものに加えて、背景知識が特に大切な箇所であるが、社会や歴史に関心がある生徒が多く、授業は盛り上がった。カタリーナさんが誰なのかが分かった後で実際に94年のリレハンメルオリンピックでの出場シーンの映像を見る。
2時間目~4時間目(冊子を使う)
前の時間の導入で学んだことを2時間目の最初で復習した後、担当者作成のオリジナル冊子に基づいて授業が進む。冊子は教科書本文を活用して、リスニングスタイル、穴埋めスタイル等で作ってある。まずは生徒自身で答えを考えた後、左右と共有、グループで共有というようなスタイルで授業は進む。今回はサラエボの歴史も題材であるため、生徒達が中学受験時に習った「サラエボ事件」などについての生徒から活発な意見が出た。そこで第一次世界大戦についても扱い、戦争そのものについて考察をした。2月公開の「1917」という新作映画の予告編も生徒に見てもらい、当時の戦争について理解をした。
その後、カタリーナさんがリレハンメルオリンピックにフィギュアスケートで出場した時の音楽である”Where have all the flowers gone?”の歌詞をまずは英語で生徒に読ませ、その歌詞は何を訴えているのか?作詞作曲者のメッセージは何か?を個人⇒グループの順に共有して黒板に書いていってもらい、「戦争反対」「人々は悲劇から学ばず、同じことを繰り返す」といったことが生徒からの意見として多く挙げられた。歌詞自体は平易な英語で、かつ覚えやすいシンプルなメロディーだが、テーマは大変重く、このギャップがかえって戦争の悲惨さを強調することも話した。
5時間目・6時間目(教科書本文)
1~4時間目に学んだことを踏まえて、教科書のページをここでようやく開く。冊子に記載されていた設問や解答は、教科書本文を使って作られていたものであるため、抵抗なく教科書を読み進めていける一助になっていると思う。この時間に主に行うことは教科書の音読練習とポイントだけを文法解説することである。1文ごとの英文和訳は実施しない。この2時間の後に各生徒が家庭等でも自発的に音読することが理想である。
成果(ふりかえり)
英語長文を理解するには①英語そのもの(単語・文法)と②内容(歴史的背景等の知識)の2面がどうしても必要である。今回の単元は特に背景知識がないと理解が難しいところであり、使われている英語も平易ではないが、大切なことは冊子の設問に対して各生徒が「自分は」どう考えるか・思うのかを表現することである。教科書の記述は筆者の一意見に過ぎず、それはあくまで叩き台のようなものである。自分の意見を表現する時に「これは英語で何て言うのか?」と生徒が意識する回数が多ければ多いほど英語の学習しようという意識につながるはずだ。そのきっかけ作りを今後も授業中に増やしていくことを心がけていきたい。これからも試行錯誤をしながら授業をしていきたい。
(松田章正)