ブタの眼球も心臓も、その大きさや構造がヒトと非常に近いため、授業で学んだ知識をより詳細に確認できる教材として非常に優れています。本実習では、全員が一人ひとつずつの解剖を行いながら、実習全体を通して解剖の基礎技術も磨くことができました。
なお、実習の中で扱ったいくつかの「問い」は、例えば次のようなものです。
・眼の内部は、どうして「真っ黒」である必要があるのか。
・心臓の「ドッキン」という振動・音は、どのようにして生じるのか。
前者は眼の内部で光の情報を受け取る細胞を持つ「網膜」の機能についての理解が、そして後者は心臓に存在し血液の流れをコントロールしている4種の「弁」の開閉のタイミングに関する理解が必要となります。
現代では、教科書で学ぶ内容をインターネットですぐに検索して調べることができます。しかしながら、スマートフォンやPCの画面からはその感触やにおい、そして経験を得ることはできません。ブタの眼球から摘出された水晶体の綺麗さに上がった感動の声や、心臓の解剖中「ここも切っていいですか?」と夢中でメスや解剖バサミを扱っていた皆さんの姿は、純粋な知的好奇心や探究心を感じさせるもので、とても素敵でした。
開智日本橋学園の理科教育では、今後もこのような体験を大切にしていきます。