新着情報

4年生物基礎グループ研究 順調に進んでいます。

 今回は、先日記事でお伝えした4年生(高1)のグループ研究について、もう少し詳しくご紹介させていただきます。

 

 4年生の生物基礎では、毎年3学期になるとグループ研究という探究活動が実施されます。この活動では、生徒が各グループに分かれて研究テーマを考え、十分に先行研究調査を行ったうえで、研究手法から各自で立案をしていきます。そして、多くの議論を重ねながら作成した研究計画書に沿って実験を行い、最終的には一人1本の論文に成果をまとめて提出することとなります。
 本校の理科教育では1年次より、理科実験を行う際にはその計画を立てるステップも大切にしてきました。よって、この探究活動はこれまでに学んだことの集大成でもあります。さらに、数学で現在学んでいる統計分野の知識も、実験結果の分析に大いに役立てることができます。

 生徒間での議論の様子を見ていると、


「この植物に試す試薬濃度の独立変数をいくつ設定しようか。何倍希釈ごとで試すのがいいと思う?」
「従属変数はこの測定方法で本当に正確に測定できるかな。このサンプル間の個体差もどう考慮すべきだろう?」
「こっちの測定データは変化量の差で処理する?いや、比率で処理してグラフ化した方が良い!?」

 

 このように、実験手法やデータ処理に関して様々な議論が交わされています。なお、実験系における「変数」の考え方は、サイエンスの世界ではごく一般的ですが、高校の教科書ではほとんど扱われていません。しかしながら、IB教育ではこれらの用語が当たり前のように用いられます。今回の活動を通して、生徒同士も会話の中で違和感なくこれらの語句を使いこなせるようになっており、大きな成長を感じました。

 各班のテーマは大変ユニークで、二枚貝の持つ水質浄化能力を神田川の水で評価するグループや、小型生物の学習能力を試すグループ、光や音の刺激に対する植物の新たな性質を発見しようとするグループなど、興味深い実験がたくさん行われています。人工気象器や各種センサー類を備えた測定機器を上手く利用したり、あるいは化学的な分析のために、やったことのない難しい実験に挑戦してみたりと、各テーマに真剣に向き合う生徒の姿がそこにはあります。結果が楽しみですね。

 

科学的視点を持って、現象について本気で考える。
そんな生徒の姿を本校の理科教育では応援し続けます。